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理事長挨拶

 新 年 の ご 挨 拶

 社会福祉法人 保健福祉の会

理事長 尾崎 望     

  

皆さん、あけましておめでとうございます。新しい年が皆さんにとって良き一年となりますことを心から願っております。

 さて、2021年はコロナに明け暮れた年でした。ワクチン接種率が高い水準に達したとはいえ、予約の取りにくさに代表されるように開始当初の混乱は目に余るものでした。医療体制が逼迫したため在宅療養とならざるを得ず、急変して入院が必要な事態になっても入院できずそのまま自宅で亡くなるという報告が相次ぎました。急性期の患者さんを受け持つ病院スタッフは感染拡大への配慮から自宅にかえることもできず、またいわれないバッシングにもさらされました。地域の公衆衛生の第一線でコロナ感染患者対応を行う保健所職員は過労死レベルでの働きを強いられたという報告も耳にしました。振り返ってみると国民のいのちを最優先にした一貫した姿勢がほとんど感じられない国のコロナ対応だったと思います。さいわいにも我が国の患者数・死亡者数は今のところ諸外国に比して少なくて済んでいるようです。それはコロナへの抵抗力など人種的な要素もあるでしょうが、国民一人一人の自助努力によるところが大きかったのではないでしょうか。

 一方では悪いことばかりではないようです。ワクチン接種の普及、今後内服薬が使用される可能性が広がったことなど明るい兆しが見えてきました。これまでと異なったコロナとの付き合い方・暮らしのありようが模索されていくことと思います。私たちの法人の高齢者入所施設や保育所におきましても、いろいろと制約はありながらも工夫を凝らして、入所者の面会や子どもたちの行事が再開されつつあります。人と人のつながりの回復が実感されて本当に喜ばしい限りです。

 さて昨年は政権交代があり岸田内閣が誕生しました。この政権は9条・25条をはじめとする憲法改悪を掲げており、これまで人類がかち取ってきた普遍的価値である平和に挑戦する極めて危険な立場をとっています。社会保障に関して言えば基本はこれまでの政権と変わるものではなく、全世代型社会保障の名のもとに制度改革が進められていくことと思われます。会議報告などから判断する限りですが、政権の社会保障についての認識が伝わってきます。関係委員の発言には、「社会保障が財政悪化をもたらす元凶である」、「持続可能な社会保障制度を作り上げる必要性」などの文言が散見されます。具体的な方向として女性・高齢所の就労の促進により社会保障の支え手を増やすことが目指されます。その文脈で介護や保育の充実も掲げられていますが、いつの間にか社会保障は就労促進のための制度に限定されてしまっており、働かないものを含めてすべての人の文化的な生活を保障するという視点は見出せません。

こうした状況を見る限り私たちの前途は安心できるものばかりではないようです。私たちは権利としての社会保障、権利としての福祉をめざして皆さんと力を合わせて前進していきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。